人生80年。21歳、まだまだ若くねえか?
試聴動画(クロスフェード)
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進化と深化を経て、リア・クラウディが帰ってきた!
リア・クラウディ運営(と称しているが実態は一人で作詞作曲編曲打ち込みMIXすべてを担当しているだけの架空)のロックバンド「Leah Crowdy」の2ndアルバム「Prison Breaker(プリズン・ブレイカー)」がついにリリース。前作「Evergreen」の延長線上にありながら、1年間の成長に伴う肯定的な変化も感じられる大作となっており、収録曲は何と15曲! 1月に完成した曲と11月に完成した曲が共に収録されるという、まさにリアの2022年の集大成的なアルバムと言えよう。
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ジャケットアートワーク
イラスト: 黒乃豹華さま
CD取り込み後のアートワーク登録にお使いください。
楽曲リスト&歌詞(クリックで展開)
クレジット
作詞: 蔵内璃嗚(a.k.a. リア・クラウディ)(#1-#15)
作曲/編曲/MIX: リア・クラウディ(#1-#15)
ギター: リア・クラウディ(#1, #10-#12)
ボーカル/コーラス: ジェナ・ベレスフォード(feat. OИE AI)(#1-#15)
プロデュース: リア・クラウディ
アートワーク: 黒乃豹華
盤面印刷: 協和産業
ジャケット印刷: プリントパック
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ライナーノーツ
#1 As I Am
アルバム制作が佳境に差し掛かっていた11月23日に完成。いわゆる「11月第4週三部作」の真ん中。12日にアルバムのトリ「悠久の刹那」、20日にキャッチーなミディアム「路傍の花」を完成させたこともあり、リードチューンになり得そうなシンプルでハイテンポな曲を作りたかった。アレンジも上手くいき、結果的に文字通りアルバムの顔と言えるような出来になったのではなかろうか。イントロのギターリフは弾けなかったのでデモではシンセリードにしていたが、完成後数日でやはり構想通りギターにしようとRecを敢行。オクターブ奏法が下手なので低音と高音を単音弾きで多重録音するというDTMerみたいな作り方をした(DTMerです)。マイナーペンタトニックのソロまで入れて、よりクオリティが増したような印象がある。「Let Me Fly」や「Burn Up」のギターよりは上手くなったと思う。アルバム宣伝用のリリックビデオも制作予定。
#2 Knock You Out
全英詞のハイテンポチューン。メロディもアレンジもキャッチーなので当初は1曲目の予定だったが、英詞が1曲目なのはどうなんだと判断し2曲目に。10月30日のこの曲の完成が、「Prison Breaker」全体の方向性を決める一助となったことは間違いない。その時点でも収録曲は結構作ってたのにな(笑)。
#3 Made by Maids
同名のカードゲーム(リア制作)「Made by Maids」の公式テーマソング。曲は3月末に完成し、歌詞は5月初頭に完成した。デジタルロック的なアニソンのノリ。なんちゃらSideの波動を感じる。
#4 Silent Cries
ニコニコ動画のイベント「無色透名祭」に参加した楽曲。ロボアニメのOPみたいだという感想をもらったことはリアの音楽性に少なくない影響を与えたし、今回のデジタルロック路線のきっかけになっている。実は1月3日に完成していて、当時の時点で「2ndアルバムのキラーチューンになる!」と確信していたが、タイミングを逸して公開できずにいた。アルバム制作期間1年とはこのことである。また、この曲はエンジニアさんに有償のミキシング依頼をしたのだが、今そのページを覗いたら受付をやめてしまっていた。申し訳ないことをしたと思っている。なお結局自分のミキシングを採用した模様。Bメロの四つ打ち好きなんですよ。和歌の枕詞を用いた歌詞もエモいと思う。
#5 鳥になりたい
ゼミの先生から「リアくんはクリエイティブだからゼミソング作ってくれたら評定上げるよ」と飴ちゃんをもらい制作。デジタルロックというかコテコテのデジタルJ-POPだが、Bメロがないなど俺なりのJ-POPへの抵抗が見え隠れする。作詞には個人的に高度なテクニックを盛り込んだのだが、身バレ防止のためここでは書けない。つらい。
#6 路傍の花
11月20日に完成させたいわゆる「11月第4週三部作」の長男長女。同名の詩があることを知らずにタイトルを決めたが、語感も意味合いもマッチしていたのでそのまま採用。ワンコーラスだけのしんみりミディアムというなかなかレアな曲になっている。よりによって次の曲とサビの入りのメロディが似てしまった(正確には次の曲”が”この曲に似ていた)が、こまけえこたぁいいんだよ。
#7 未だ来ぬと書いてミライと読む
11月25日に完成させたいわゆる「11月第4週三部作」の末っ子。アルバム内でも最後に完成した曲であり、個人的にはこのアルバムのミディアム・スローの中では最高傑作だと思っている。「Prison Breaker」は15曲という大作なので前半をA面、後半をB面というように分けて雰囲気をガラリと変えているが、そんなA面のトリにふさわしいリア史上に残る名曲だ。作詞では既存曲の歌詞を自分の解釈で言い換えるという新しい作詞法を試している。元々替え歌が好きなので、結構ハマっているかも。
#8 Live Fast N’ Die Young
B面の1曲目。「Prison Breaker」がまだポップパンクとメタルのアルバムになる予定だった頃は全体の1曲目だったし、そもそも1曲目を想定して作った曲だったが、キャッチーさのなさと天秤にかけ結局A面B面方式をとることに。明日を望まぬくらい今日に全力投球全身全霊な奴こそが明日を得られるという俺の思想がモリモリ。
#9 Sailors Song
ツェッペ……げふんげふん。オマージュです。水夫たちが荒波を乗り越え黄金郷を目指すというようなテーマ。これまた全英詞。
#10 Let Myself Go
カワイイメタル。リフの〆の「テーレレ↓テーレレ↓テーレレレ↓」(伝われ)は俺の指が追っつかなかったので倍速にしています。シンプルにかっこいいと思うし、Twitterでの評判も良かった。
#11 Burn Up
何かどっかで聴いたことあるようなリフだがかっこいい。「Knock You Out」といい物騒な曲が多いな。かっこいいんだけどギターソロが下手すぎてつらい。録り直す体力もない。
#12 Let Me Fly
1月末に完成させた2番目の古参。秀逸な歌詞とキャッチーなメロディの古き良きポップパンク。自分で歌のもありだなと思って時々弾き語りをやっているくらいには好きな曲。ギターは下手すぎるが頑張ってはいるので健気。
#13 透明な雲
メロディアスなポップパンクだが、BPMは何と150オーバー。どんなバラードだよ。枠としては前作「Evergreen」の「あの雲に根を張って」だが、タイトルまで同じ「雲」になったのは全くの偶然。劣等感ってつらいよなって感じの曲で、完全に当時メンタルをやられていた俺の私小説。
#14 診断結果:芸術家タイプ
毎回恒例のネタ曲。前作だと「ミュージック・ビデオの主役みたいに」で、まだちょっとしんみり要素があったが、今回は振り切って笑いに走った。こんなことを言っているが、俺が診断結果で芸術家タイプを叩き出したのは中学生頃まで。高校以降は公務員や官僚などが出ている。なる気は全くないが。
#15 悠久の刹那
タイトルからも分かる通り、虹ヶ咲の優木せつ菜に贈る歌である(ゆうきゅうのせつな)。そして虹ヶ咲の「永遠の一瞬」という曲とも同じ意味になっている。曲中にはせつ菜の曲から引用し改変したメロディもちょくちょく出てきたり、ラスサビの歌詞は完全にせつ菜曲の歌詞を持ってきている。人の不幸でこんないい曲を作ってしまう自分に罪悪感すら覚えるが、曲自体は本当に良いものに仕上がっているし、これの完成がきっかけで自分のせつ菜への気持ちを整理することができた。アーティストは表現で自分の気持ちを解決していくものだな、と思い知らされたし、俺はこのアーティスト気質を大事にして生きていきたい。ちなみに、虹ヶ咲は箱推しだが特に推しているのはかすみんと果林と彼方ちゃんと栞子である。せつ菜推しじゃないんかーい!
アルバム制作にあたってのバイオグラフィー
2022年前半――戦争、大学再開、モチベなき日々
見出しにはそう書いてあるが、リアの2022年の滑り出しは決して悪いものではなかった。1月に本作の#4「Silent Cries」と#12「Let Me Fly」を完成させており、2月に入ってからもコンスタントにストックを量産。前年12月時点からのものも合わせれば10曲近く溜まっていた。このまますんなり制作に入る……かに思えたのだが、事態は急変する。
言わずと知れたウクライナ情勢である。核を保有した隣国が強引に戦争を始めるという危機的状況にリアはパニックを起こし、しばらく一切の創作が手につかなくなった。当然だが、戦争となった場合自分が生き残れるビジョンなど全くない。加えて、どうせみんな消し炭になるこんな世の中で作品を作って何になる? 見てくれる聴いてくれる人が自分含めて全滅しかねないのだ。生命としての己も、創作者としての己も、この時どちらも死の恐怖を味わうこととなった。11月現在、情勢は当時ほど緊迫感を持たないものとなりつつあるが、もう一つの隣国が何をしでかすか分からないことに変わりはない。2022年は、リアの人生に「戦死」と「戦災」が追加された1年である。
そんなリアも時間が経つにつれて慣れ、3月末くらいには復調の兆しを見せる。と言っても、音楽ではなかった。カードゲーム「Made by Maids(MbM)」開発の中で同名のテーマソング(本作での#3『Made by Maids』)を完成させた以降は全く作業が進まず、専らMbMに打ち込んでいたのだ。これ自体は問題ない。リアの創作のモチベには波があり、その波に逆らわず、今やりたいことを飽きるまでやるのはそういうポリシーだからだ。誤算は、大学の忙しさだった。
4月に大学3年生が始まると、過去2年とは打って変わり完全対面授業が再開されることとなった。そもそもキャンパスが変わるため、リアは毎日片道1時間弱の電車通学を余儀なくされるわけだが、これが想像以上にしんどい。高校時代はずっと親の車かバス、大学もオンラインか歩いて5分のバス停から10分の激近キャンパスに慣れ親しんでしまったひきこもり怠惰マンの俺には歩きも電車も負担が大きすぎる。そして授業もキツイ。90分間先生の話を聞き続けメモをするのは大変だ。小学生みたいだが本当に大変だ。結果的に登下校でボロボロ授業でボロボロになり、創作に充てる時間が激減してしまうことに。このため4月から6月頃まで1曲も作れない日々が続く。
そんな生活リズムに慣れてきた6月、ゼミの先生から「ゼミソング作ってくれたら評定上げるよ」という指令を受諾する。うちのゼミはそういう自由なノリが売りで、単位やGPAに繋がるとあれば俺も意気揚々と取り組むわけである。こうして完成したのが#5「鳥になりたい」。出来は自分でも納得いくもので、先生からも絶賛を頂いた。斯くしてリアはゼミ内で「クリエイティブな人」という立場を確立することとなる。しかし、これ以外で自発的に作曲をすることはとうとうなかった。夏休みになれば何か変わるだろうか、そんな淡い期待と、それでもダメだったらどうしようという不安を抱えながら前期が終わる。
2022年後半――コミケ、爆発、制作の中で成長!
夏休みのトップイベントは8月のコミックマーケット100だった。リアは光栄なことにTwitterの相互さんのお手伝いをさせて頂ける機会をゲット。初めてのコミケ参加ながらサークル側で参加できるという貴重な経験をすることができた。普段ネットで仲良くしている方々とリアルで会うというのは新鮮かつ感無量で、「自分もこの雰囲気の中にいたい」、「売れる売れないではなく、オフ会としてまたここに来たい」と思うに至った。翌日には即座に冬コミ申し込み。この瞬間、リアの2ndアルバム制作プロジェクトが始まったのである!
「創作人は〆切を決めてやるといい」というのは今更言うまでもない至極真っ当なTipsだ。俺自身これまでもそういう作り方をしてきて、映画にせよアルバムにせよトラブルなくこなしてきている実績がある。しかし今回生まれた創作意欲は従来の比ではなかった。わずか3週間で12曲を完成させるという凄まじいハイペースで作曲を行い、ロック色が強く完成が待ち遠しいような曲が次々生まれた。ただひとつ、作詞を除いて――――。
この時は完全な曲先で作った(作ってしまった)ため、とにかく作詞に難航することに。メロディに当てはめるためにそれっぽい適当な詞を書くのは作詞に一家言ある俺のポリシーが許せず、この時作った曲でアルバムに収録された=歌詞が書けたのは#8「Live Fast N’ Die Young」と#13「透明な雲」のただ2曲のみである。残り10曲はすべて没となった。サヨウナラ。
夏休み最終盤の9月中旬に入ると停滞から焦りが見え始め、「どうせ俺に音楽の能力はねえ」系の病みツイを繰り返すようになる。最悪である。だが人間万事塞翁が馬とはよく言ったもので、リアの下に救世主が舞い降りた。「ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」である。
かねてより「ラ!のシナリオが苦手な俺でも外伝枠の虹ヶ咲ならハマれるのでは?」と思ってはいたが、面倒くささもありなかなか食指が伸びずにいた。しかしこの9月からdアニメストアに入ったことでアニメが格段に見やすくなったため、思い切って見ることに。結果、ドハマりなんてもんじゃねえ。これが沼です。
アルバム制作バイオグラフィーでスレチな話題を長ったらしく書く気はないので端折るが、ともかく虹ヶ咲によって俺の創作意欲や情熱は再び復活した。と言ってもしばらくは虹ヶ咲の二次創作的な方面で、作曲はそこまでやる気にならなかった。もっとも、今思えば10月中旬頃まで行っていた「通学中に虹ヶ咲の曲、空きコマに虹ヶ咲のアニメをリピートしまくる」というオタク的な異常行動は、驚異的な速度のインプットに繋がったと言えよう。
10月下旬からはやっと作曲熱も復活し、このタイミングで#10「Let Myself Go」、#11「Burn Up」、#2「Knock You Out」、#9「Sailors Song」の順で次々完成させていくことができた。念願だったHR/HMを作れて気分は良かったが、内心では「キラーチューンがない」ということに不安を抱えていた。
#2はメロやアレンジこそキャッチーだが全英詞、#9、#10、#11はどれも構成がキャッチーではない、など「このアルバムを売り出すときの顔になる曲がない」と考えていた。11月頭に#14「診断結果:芸術家タイプ」を完成させたが、これもネタ曲であってキャッチーではない。どうしたものかと苦悩する毎日。ただでさえ11月頭のせつ菜ショック(虹ヶ咲の優木せつ菜役を務めていた楠木ともり氏が、難病の影響でライブパフォーマンスを満足にできないことを理由に年度いっぱいでの降板を発表)があってかすみん困っちゃいます~状態だというのに。しかしそこで降りてきてしまった。「せつ菜に贈る歌を作ろう」。
我ながら下衆の極みである。まさか自分が人の不幸を作品にしてしまうなんて思いもしなかった。しかしせつ菜に向けた歌は作詞が本当に上手くいき、曲も上手くいった。悪いことをしている自覚はある。だが自分の気持ちの整理にはこれが最適解だった。#15「悠久の刹那」、完成。
こうしてキラーチューンが生まれた。作詞の方向性として「普段自分がツイートしているようなお気持ち全開の内容を歌詞に昇華する」というスタイルも確立され、あとは思うがままに作るだけだった。勢いは止まらず、#6「路傍の花」、#1「As I Am」、#7「未だ来ぬと書いてミライと読む」が完成。この3曲は「11月4週目三部作(すべて11月4週目の1週間で完成させた)」と呼んでいるが、どれも本作のベストと言ってもいいほどの出来であり、キラーチューン欠乏症が一転キラーチューンまみれになってしまった。HR/HMではなくデジタルロックを目指すためにアレンジの勉強をしたことも一因だが、制作の中でこれだけ成長が見られるというのも珍しい。クオリティの統一がなされていないのはインディーズならではだと思ってほしいし、このバイオグラフィーで書いた順番に聴くと俺の音楽性や心境の変化がよく分かると思う。それ込みでぜひ楽しんでほしい。